
「冬が終わっても収納する必要がない。年中出しっ放しでもよいことです」。小泉成器(大阪市中央区)が全国の家電量販店で販売開始した扇風機とセラミックヒーターファンを一体化したハイタワーファン「ホット&クール ハイタワーファン」の特長を開発担当の永野健輔課長が話す。
【フォト】扇風機とセラミックヒーターを一体化した「ホット&クールハイタワーファン」
ありそうでなかった商品だが、着想の端緒は「家具調コタツ」だそうで、家族の意見も大変参考になったという。
夏になると押入れの奥から扇風機を出してヒーターファンをしまい込み、冬にはその逆の作業の繰り返し。収納スペースは常にふさがれ、奥様の不満も積もり積もっていたことだろう。1メートル強のハイタワーファンなら面積はとらず、年中出しっぱなしでも出しゃばっている感じはしない。
昨年の同社新製品総合展示会で好感触を得て1年後に発売した。上下にそれぞれ独立したファンとモーターを搭載。下半分にセラミックヒーター機能があり、寒いときには下半分の送風口から足元へ温風を送り、暑いときには上下のファンが同時に作動して送風口全体から風を送る。国内初の製品だが「技術的にはこれまでも可能だったはず」と着想の勝利を強調する。セラミックファンヒーターで一定のシェアを持つ同社が、扇風機市場にも食い込んでいく狙いもあった。
すでに発売している海外他社においてはデザイン性を重視していたが、小泉成器はそれよりも使い勝手に注力した。「ホット&クール ハイタワーファン」は本体上部のLEDとディスプレイが温風はオレンジ、送風はブルーに点灯することで遠くからでも運転状況が一目で分かる。
ブルーとオレンジの液晶表示と上下に独立したシロッコファンを搭載したアイデアは特許出願中だ。ほかにも人の動きの変化を感知して自動で運転をオン・オフにする人感センサー機能や、切り忘れ防止の5時間自動オフタイマーなど無駄な電気を使わないで済む工夫を凝らしている。
小泉成器は「玉子焼きが同時にできるオーブントースター」「トリートメントが同時にできるヘアドライヤー」「全自動で単時間で誰でもおいしく作れるスープメーカー」など消費者のニーズに密着した製品を次々と生み出している。
日本とオーストラリアは長い交渉の末に、ステルス潜水艦技術を共同開発することで合意した。これにより安倍晋三首相は、日本の安全保障体制の転換に向けて大きな一歩を踏み出した。首相は3つの目標達成を目指している。1つ目は米国以外の国との安全保障協力の強化、2つ目は世界の軍需産業への参入、3つ目は政治的パートナーとしての日本の魅力を高め、常にアジアで中国の対抗勢力としての地位を維持することだ。
日本とオーストラリアのいずれにとっても、潜水艦は軍需品の中で特に重要なものだ。日本の海上自衛隊とオーストラリア海軍は相対的に規模が小さいため、敵対勢力の数に対抗するには潜水艦などの高性能兵器に頼らざるを得ない。日本は20隻近いディーゼル・エレクトリック潜水艦を保有しており、オーストラリアは旧式の潜水艦6隻に代わる12隻の潜水艦を建造する計画だ。
両国は世界の貿易にも依存しているため、オーストラリア北部や東シナ海にある戦略的要所を通る、共有海域へのアクセス保持にますます力を入れている。潜水艦技術の共有によって、アジアでの危機対応と安定維持における両国の重要性は高まるだろう。
だが安倍首相にとって、オーストラリアとの合意はもっと大きな意味を持つ。まず、首相は新たな戦略的パートナーシップを構築し、約60年続いてきた日本の安全保障体制を刷新しようとしている。こうすれば日本政府は日米同盟に関する交渉とは別に独自の行動計画に力を入れることができる。米軍基地や日米地位協定について話し合う日米安全保障協議が中心から外れることで、日本の防衛当局は共同訓練や演習、緊急時対策など海外での軍事活動を増やせるかもしれない。つまり、同盟に基づく活動で日本が米国に提示できる選択肢の幅が広がることになる。
次に、日豪合意は日本にとって世界の防衛産業への参入に向けた大きなステップとなる。安倍首相が武器輸出規制を見直した昨年まで、日本は軍需品の開発・生産からほぼ隔離されていた。日本の防衛物資の調達は本来よりも割高だっただけでなく、同国の軍需品メーカーは航空機のステルス技術などの新しい技術を得る多くの機会から締め出されていた。
日本はどのような協力関係が自国の研究や軍需品メーカーに恩恵をもたらすか調べている。オーストラリアとの合意は、アジアと欧州の技術先進国と将来パートナーシップを結ぶ上でのモデルになり得る。安倍首相は欧州でも北大西洋条約機構(NATO)加盟国との関係強化を目指している。日本の防衛企業は、急成長しているアジアなどの兵器市場に参入できる可能性もある。さらに競争力をつける必要はあるものの、日本製品の質は高く評価されるだろう。
最後に、今回の合意は日本が他国にとって安全保障上の潜在的なパートナーになり得ることを示している。安倍首相の主な目標は日本とインドの関係強化だ。日本政府がオーストラリアのようなパートナーといかにうまく協力できるかを証明すれば、インド政府は協力拡大に動くかもしれず、シンガポールやベトナムなども日本に接近してくる可能性がある。
こうした動きは、尖閣諸島や南シナ海で中国が攻勢を強めていることに対抗するものと見なされがちだ。だが安倍首相が今月シンガポールで開催されたアジア安全保障会議で明確にしたように、中国に対抗することだけを念頭に置いているわけではない。アジアと世界の政策・安全保障・技術協力において日本がますます重要な役割を担うことを目指している。
最終的に、潜水艦技術をめぐるオーストラリアとの合意によって、日本はアジアの安全保障で正常な役割を果たし、小規模な国々がさまざまな問題で協力するのが当たり前になるかもしれない。そうなれば、世界第3位の経済大国である日本がアジアの安全保障・政治体制からほぼ孤立しているという異常な状況にピリオドが打たれるだろう。
安倍首相は目標達成のために努力しなければならない。日本経済を再活性化させ、条件を付けずに自由貿易協定に参加するという約束を遂行しなければならない。さもなければ、日本は政治的パートナーシップを築くことはできず、経済面でもはぐれ者になる。
首相は戦略的パートナーとして自分を売り込むことで、支援やより深い関与への要望にも応えなければならない。日本の国会議員と一般市民に、これが自らの利益になることを納得させなければならない。それには、まだ誕生していない世界での日本の役割について国民が対話する必要がある。安倍首相は、リーダーシップとは自身の正当性を他者に証明するために、自分の目標の一部を犠牲にする覚悟ができていることだと気付くだろう。それだけで、アジア諸国の日本に対する認識が改善し、中国に自国の威圧的な行動を考え直させる可能性がある。
(マイケル・オースリン氏は米ワシントンにあるアメリカン・エンタープライズ政策研究所の研究員で、ウォール・ストリート・ジャーナルのコラムニスト)
By MICHAEL AUSLIN
スイカの季節がやって来た。中国北京市のある農家では新品種「麒麟瓜」の“双子”を収穫。麒麟瓜は開花から収穫までの期間が約60日間と短く、口当たりのよいスイカができるという。現地では6月から11月ごろまでこの品種が出荷できる。(写真は「CNSPHOTO」提供)(編集担当:古川弥生)