
先日とあるWebサイトの新規制作のために見積もりを取ったら、日本語・英語の「多言語化対応」のためだけに18万円が計上されていて、卒倒しそうになった。翻訳料じゃなくて、単にCMSを多言語設定にするのに18万円ってナンノコッチャと思ったのだけど、Webサイトの文章やコンテンツを多言語化するのは手間もコストもかかる頭の痛い問題であることは間違いない。言語切り替えメニューは、どこに配置するのか、それは国旗アイコンなのか文字列なのか、言語ごとにURLパスはどう切り分けるのか、サブドメインで対応するのか、コンテンツ更新の同期はどうするのか、翻訳はどこに外注するのかなど、考えなきゃいけないことは多い。そして実は何より、コンテンツの更新となると、HTMLやCMS上で対応箇所を確認しながら訳文をコピペするという面倒な作業も発生する。
大手グローバル企業のWebマスターなら、ありあまる予算をクラウドソーシングにぶち込むなり、Web制作会社に翻訳ごとまるっと投げてしまえばいいのかもしれないけど、それにしたって、結構なグローバル企業のWebサイトで、英語と日本語で異なるコンテンツが表示されているなんていうケースに出くわした経験は誰にでもあるんじゃないだろうか。要するに大変なんである。
この問題を「なるほど!」という感じで、あっけなく解決するのが、創業間もないミニマル・テクノロジーズが提供する「WOVN.io」(ウォーブン)だ。独立系VCのIncubate Fundから450万円のシード投資を受け、ここ数カ月ほとんど1人でWOVNを実装してきたミニマル・テクノロジーズ創業者でCEOの林鷹治氏は、起業した理由を「ふとアイデアを思い付いたから」と語る。
元サイトには手を加えずに多言語化できる
もともと林氏は、Stores.jpを運営するブラケットでグロースハッカーとして活躍していた。グロースハッカーとして、ブラウザ上でA/Bテストが簡単にできるOptimizelyのサービスを使っていて、「あれ? これを多言語化に使えばいいんじゃない?」と同僚との会話の中で気付いたのだという。Optimizelyはブラウザ上で、ボタンやテキストといった要素を移動したり編集したりして、バージョンAとバージョンB……と同一ページで複数の異なるバージョンのページをユーザーに見せることができるツールだ。「A案」「B案」と出し分けることで、どちらがより良い反応が得られるかを見た上でデザインを決めるのがA/Bテストだ。
ポイントは、異なるバージョンを見せるために、元サイトにJavaScriptのスニペットを入れるだけで良いというところ。実際のコンテンツはOptimizelyのサーバから各サイト訪問者に提供される。これと同様の仕組みを多言語化サービスに使ったのがWOVNだ。
JavaScriptを1行、書き足すだけ
使い方は簡単で、WOVNでアカウントを取って、多言語化したいURLを入力。WOVNがHTMLをフェッチして解析した上でボタン類やコンテンツのテキスト要素を一覧して並べてくれる。ここで翻訳ボタンを押すと、マイクロソフトの機械翻訳サービス(Bingのもの)を使って主要10言語の訳文を生成することができる。訳文は手で編集することも可能だ。
次に、元サイトでJavaScriptのスニペットをHTMLに埋め込む。スニペットといえば、1行から5行程度ものが多いけど、WOVNでは実際に1行にすることにこだわったそうだ。
すると、Webサイトの右下に(モバイルでは下部に帯状に)、以下の画面のようなドロップダウンメニューが表示されて、訪問者は言語切替ができるようになる。技術的にいえば、各言語はハッシュタグの付いた個別のURLが割り当てられることになるが、ユーザー体験としても管理側としても、同一ページで複数言語が切り替えられるといって良く、非常にシンプルだ。WOVNのダッシュボードから多言語のリソース(テキスト)を管理、更新することができるという意味で、WOVNは一種のCMSとして機能する。オリジナルのHTMLやサイト構成、サーバ設定などに変更を加える必要がないのがポイントだ。
ちなみに、ちょっと技術的なことを書くと、WOVNではWebページにおけるテキスト要素をXPathで管理していて、これを動的に差し替えているそうだ。動的差し替えといっても、多言語のテキストは最初にまとめてクライアント側に持ってくるので、UIの応答性は極めて良い。
人間による翻訳も提供
「なるほど便利そうだ、でも機械翻訳じゃ翻訳精度が……」と思う人もいると思う。まず1点は、翻訳後の訳文は自由に編集ができるので、あくまで機械翻訳をスタート地点とすることができるというのがWOVNの良さと思う。もう1点、WOVNでは人間による翻訳の「リクエストボタン」も用意するそうだ。WOVNはMVP(ミニマム・バイアブル・プロダクト)としてローンチしたばかり。今後、たとえばAPI経由でクラウド翻訳が可能なGengoなどのサービスへつなぎ込みを行うとか、背後にプロの翻訳者や、あるいはボランティア翻訳者をプールしておいて、翻訳の納品日数によって料金プランを変えるようなことも考えているという。
まだ、訳文のバージョン管理機能などはなく、たとえば人間が翻訳した高品質の訳文があるページにコンテンツを追加して、誤って全翻訳ボタンを押すと、せっかくの訳文が機械翻訳で上書きされて吹っ飛ぶという「その辺は運用でカバーしてね」という仕様や、「本文」「段落」などと認識してほしいテキストブロックが、全てP要素でバラバラに表示されてしまうといった荒削りなところはある。翻訳についてもURL単位なので、ドメイントップを指定して3階層まで翻訳するなどといったオプションもない。
とはいえ、元サイトに変更をほとんど加えることなくサイトを多言語化できて、何よりもオリジナル言語のコンテンツの更新に合わせて多言語をまとめて管理できるサービスとしてみると、ぼくは潜在市場は大きいと思うし、デモを見る限り、すでに十分な利用価値があるように思う。読者の中には、「Google Chromeの翻訳でいいんじゃね?」と思う人もいるかもしれないけど、提供者側が用意できることとか、肝心のところは人間の翻訳を入れられるというのがポイントだと思う。もっとも、まだ翻訳テキストのGoogleクローラー対策などは、これから考慮に入れないといけないという話なので、検索流入に効果があるのかなど未知数なところもあるけどね。
林氏は「スモールビジネスのオーナーの需要があるのではないかと見ている」という。たとえば、外国人向けサービスを提供する行政書士の事務所が、中国語、韓国語、ロシア語などのページを用意するといったケースがある。あるいは自治体のWebサイトなどでは、現在冒頭に書いたようなWeb制作会社や翻訳事務所への外注コスト、メンテナンスコストがかさんでいるといった状況はありそうだ。WOVNでは、オリジナルのHTMLに変更を加えると、ダッシュボード上で該当URLがピンクになるので、それを確認して翻訳ボタンを押し直すだけで良く、メンテンスコストを大幅に下げられるだろう。
ほかにもWebコンテンツの翻訳ということでは、KickstarterとかAirbnbのようなサービス系のサイトだとか、ブログプラットフォームでの利用ということも想定しているそうだ。ブログだと、Tumblrまで含めて、JavaScriptのスニペットを埋め込めるサービスであれば、ほとんどどんなブログサービスでも利用可能という。個人ブログに入れるのもありだ。
なんで今までWOVNみたいなサービスがなかったのか? というと、実はこれまでにも類似サービスは存在していたそうだ。たとえば、TolqというサービスがWOVNに近いそう。ただ、こうしたサービスは少数派で、多くの「多言語化サービス」はDakwakのようなタイプ。Dakwakでは翻訳コンテンツをDakwak側でホストして翻訳コンテンツについてはページ全体を提供するというモデル。だから、利用者はDNS設定を変更してサブドメインがDakwakのIPアドレスに振り向けられるようにしておく必要がある。つまり、サーバ管理ができるドメイン保持者ではないと利用が難しいということ。
まだWOVNにどの程度市場性があるのか良く分からないけど、ぼくは今すぐTechCrunch Japan主催のイベントページの多言語化に利用してみたいと思ったね。
インバースネットは16日、ビジネス向けスリムデスクトップPC「CIシリーズ」のラインナップにOffice 2013搭載モデルを追加し、本日より販売を開始した。価格は税別80,500円から。
CPUにIntel Core i3-4010Uを搭載したエントリーモデルとIntel Core i5-4250Uを搭載した上位モデルをそろえる。どちらのモデルでもOSはWindows 7 Professional 64bitもしくは、Windows8.1 Pro 64bitから選択できるほか、Office Personal 2013搭載版とOffice Home & Business 2013搭載版をそれぞれラインナップする。
価格はIntel Core i3-4010U搭載でOffice Personal 2013インストールモデルが税別80,500円から、Office Home & Business 2013インストールモデルが税別86,500円から。Intel Core i5-4250U搭載モデルではそれぞれ税別88,600円からと税別94,600円から。
エントリーモデルの主な仕様は、CPUはIntel Core i3-4010U(1.70GHz)、メモリはPC3L-12800 4GB、ストレージは500GB HDD、グラフィックスはIntel HD Graphics 4400(CPU内蔵)、光学ドライブはなし。
上位モデルの主な仕様は、CPUはIntel Core i5-4250U(1.30GHz)、メモリはPC3L-12800 4GB、ストレージは500GB HDD、グラフィックスはIntel HD Graphics 5000(CPU内蔵)、光学ドライブはなし。
本体サイズは約W45×D152×H195mm、重量は868g。
大規模なリコール(回収・無償修理)問題に揺れる米国の自動車最大手、GM。同社が新たなリコールを発表した。
画像:シボレーカマロ
これは6月13日、GMが明らかにしたもの。「北米を中心に、全世界でシボレー『カマロ』のおよそ51万台をリコールする」と公表している。
今回のリコールは、イグニッションキー関連の不具合によるもの。GMによると、走行中、カマロのドライバーの膝がキーホルダーに当たることによって、キーがエンジンオフの位置に動き、エンジンが止まる可能性があるという。
この不具合は、GMの一連のイグニッションスイッチ関連のリコールを再調査する過程で、発見された。GMは、「運転者のシートが、ステアリングホイールに近い位置にある場合に、起こり得る事」と説明する。
なお、GMによると、この不具合は、シボレー『コバルト』など、13名の死者を出したイグニッションスイッチのリコールとは別の要因。ただし、少なくとも3件の事故が起き、4名が負傷したという。
リコールの対象となるのは、2010-2014年モデルのカマロ。米国、カナダ、メキシコやその他の海外市場を含めて、全世界で51万1528台が該当する。
《レスポンス 森脇稔》