
「過去25年間で最高の製品ラインアップを今年後半に用意している」――米Appleのインターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長エディー・キュー氏は、5月28日(現地時間)、Codeカンファレンスで驚きの発言をしました。この言葉の指すものが既存製品の新バーションなのか、まったく新しい“何か”なのか、詳細は明らかにされていません。
さて、現時点での「過去最高の製品ラインアップ」の本命は、iPhone 6と言えるでしょう。今年9月ごろの発売が期待されており、これまでのリークを振り返ると、ボディデザインや機能が大きく変わる可能性があります。
ハードウェア面では、ディスプレイが4.7型と5.5型の2サイズ展開になる、64ビットのA8プロセッサが搭載される、ベゼル幅が狭くなりさらに薄型化されるといった予想が、海外のMac系ブログで取り上げられています。
またiPhone 6の付属イヤフォンである「EarPads」が進化し、心拍数や血圧を測定する機能がつくというウワサもあります。この場合、接続はLightningコネクタを使い、これまでより多くの情報量を伝達できるようになるため、イヤフォンを利用した新たなソフトウェアやサービスが新たに生まれるかもしれません。
ほかにも、近距離無線通信技術のNFCが搭載され、決済サービスやワイヤレス充電などが将来的に使えるようになる(「Apple Reportedly Integrating NFC Technology into iPhone 6」/MacRumors)、iOS 8とiPhone 6を組み合わせ、LTE回線で音声通話ができる「VoLTE」に対応する(「Everything to know about iOS 8 and OS X 10.10 (Roundup + New Details」/9to5mac)などのウワサも。9月に向けさらに多くの新情報がリークされることでしょう。
ウェアラブルデバイス「iWatch」も、同じく2014年秋の発売がささやかれている製品の1つです。複数のiWatchモデルのリリースが予想されており、「製品ラインアップ」という言葉にも当てはまります。iWatchはGPS、歩数計、心拍数モニターなど、ヘルスケアやフィットネスにフォーカスした製品。WWDC 2014に発表されるであろうiOS 8には、新しい健康管理アプリ「Healthbook」を搭載するというリーク情報もあります。WWDCではiWatchの発表の可能性は低いとみられていることから、“今年後半の最高の製品ラインアップ”にiWatchが含まれることも期待できます。
今回のキュー氏の発言でかなりハードルが上がったようにも思えますが、それほど同社にとって自信のある製品群なのかもしれません。今年後半の発表を楽しみに待ちましょう。
ヘッドフォンを愛用し始めると、もう少し音が良くならないものかと欲が出てくる。iPhoneやiPad、ポータブル機器で使う限り、内蔵されたアンプには限界があるからだ。音質しかり、音量しかりである。そんな時のお役立ちグッズがヘッドフォンアンプであることは、本誌の読者なら先刻ご承知の通りである。だからここでその効用について触れるつもりはないが、最近の傾向としてこのアンプに真空管を採用する例が増えている。なぜ真空管なのか、どうしてこんなに面倒くさいデバイスを使っているのか、ちょっと興味が湧く。
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というわけで今回は、真空管を採用したヘッドフォンアンプを集め、といっても3機種だが、それぞれの製品の特徴を探るとともに音質を確認してみた。取り上げたモデルは、オーディオテクニカの「AT-HA22TUBE」、キャロット・ワンの「FABRIZIOLO EX」(ファブリジオーロ)、フォステクスの「HP-V1」である。
●オーディオテクニカ「AT-HA22TUBE」
オーディオテクニカの「AT-HA22TUBE」は、この中で最も大型。既発売のヘッドフォンアンプ「AT-HA21」のシャーシを流用しコストを抑える合理的な物作りを行い、吸収した予算を音質に係るところに計上した力作である。製品のイメージとしては「AT-HA21」のプリ部に真空管が加わった感じだが、安易に真空管をプラスしただけではない。
その最たるものがシャーシからにょっきっと首を出した2本の「E-88CC」だ。「12AX7」に相当するこの真空管は双三極管と呼ばれる内部構造を持ち、通常なら1本でステレオ回路をまかなえる。にもかかわらず2本採用したのは並列に接続してSN感を高めるためだ。開発に1年半も費やしたのはそうした条件を満たすためにさまざまなトライアルを行ったからでもある。「真空管をスロバキアのJJ製に決めたのは音質と安定供給という観点からです」とオーディオテクニカ、コンシューマ企画課の高橋俊之さんは話す。
しかしながらせっかくの真空管がアルミダイキャストのプロテクターに覆われていて良く見えませんなぁとの問いに、「本当はもっと真空管をアピールしたかったんですが、60センチの落下試験という社内の安全規格をクリアするためにカバーが必要でした」。なるほどそうした理由がちゃんとあったんですね。
プレートにかかる電圧は約60ボルトだというから、一日3~4時間の使用で7~8年使うことができる。真空管のソケットに磁器製品を用いているのもノイズ対策と長期に渡って特性をキープするためであり、レンジ感の広いハイレゾ音源を主体に楽しんでほしいという彼らの思いが込められている。
●キャロット・ワン「FABRIZIOLO EX」
キャロット・ワンの製品は以前にもこのページでも取りあけたことがあるのでご記憶の読者もおありのことだろう。その時はDクラスのパワーアンプを内蔵したエルネストーロだったが、今回はヘッドフォンアンプのファブリジオーロEXだ。いずれもニンジン色のシャーシの上に真空管がぴょこんと飛び出した独特のデザインが目を引く。
キャロット・ワンの「FABRIZIOLO EX」は「FABRIZIOLO」をベースにしたエクスクルーシブ・エディションすなわち、リファイン・バージョンである。物作りの姿勢は、前回の記事も参照にしていただきたいが温故知新が盛り込まれ、ノスタルジーに浸ることなく新しい音作りを狙っている。加えてこのリファイン・バージョンのリリースには2つの理由がある。1つは似て非なるそっくりさんの登場、そしてもう1つはこのモデルのさらなる可能性の追求である。ブルーの塗色のコピーものが出回ったことに危機感を抱いた日本の輸入元であるユキムが、価格を度外視して作り上げたのがEXエディションだ。
彼らが取った方法は、このモデルの音質の鍵を握る真空管を、「6DJ8」から「ECC-802S」という「12AU7」相当品に、そしてオペアンプをバーブラウン製に換えたほか、アンプそのものの基本性能を高めるため、全数真空管のバイアス電圧をそして左右のレベル差を国内でチェックして極めて偏差の少ないモデルに仕上げていることである。
真空管はオーディオテクニカと同じくスロバキアのJJ製を採用している。ぼくはこのJJの品質レベルを把握していないので何ともいえないが、2社からそうした話を聞くにつれ、あなどれないメーカーであることが分かる。それにしてもどの分野にもコピー商品が出回ることに驚いてしまうが、この内容でこの価格設定なら追従することは無理だろう。正規モデルの意地とプライドが発揮された新製品だ。
●フォステクス「HP-V1」
フォステクスの「HP-V1」は、前出の2モデルとは若干自出が異なる。前2機種がホームでの活用を前提にしているのに対し、フォステクスの「HP-V1」はポータブルでの使用を前提に作られているからだ。サイズは「FABRIZIOLO EX」より大きいが、持ち運びに困るほどではない。
そしてもう1つ、このモデルの大きな特徴はその真空管である。1950年代、まだトランジスタラジオが誕生する前、電池で動く真空管が開発された。屋外でもラジオを聴きたいというニーズに応えるため、低電圧で動作する真空管が作られたのである。もっとも当時は電池がとても高価でそれほど普及はしなかったようだ。わが家にも1台あったが、どこのブランドだったのかまでは覚えていない。それよりその後に父が買ってきた三菱電機製のトランジスタラジオの方がはるかにインパクトがあった。小さいくせに長波、中波、短波の切替付きで外部アンテナをつなげば、海外の放送まで受信できたことにも驚いた。
電池管はトランジスタが普及するまでのわずかな時間を楽しいものにしてくれたが、その用途が限られていたので、自然に消滅したのである。ところがHP-V1には双三極管仕様の「6N-16B」という中国製の電池管が使われている。今となってはこうした製品でしか使い道がないはずなのに見事によみがえっていたのである。
しかしながらHP-V1で注目すべきは、真空管よりその真空管の動作を支えるバッテリーだ。電池管といえども真空管はヒータを発熱させることで電子を放出する。そのためには長時間の動作を支える電源が必須であり、リチウムイオン電池の選択は10時間の使用を実現するための必要十分条件だったわけである。
ところがここからが苦悩の連続だったという。そうした設計を行ったため、何度も安全規格取得のために監督官庁に足を運ぶことになったのである。発売が当初のスケジュールより大きくずれ込んでしまったのもそのためだ。そこまでしてポータブル型に挑戦したエンジニア魂に感心させられてしまうが、それにしても電池管を採り入れるなんて随分とマニアックな製品である。
●おじさんソフトで視聴してみよう
試聴にはジョン・フォガティの最新アルバム「ロート・ア・ソング・フォー・エブリワン」から「フール・ストップ・ザレイン」を使った。久々におじさんソフトの登場だが、このアルバムはジョン・フォガティのソロ9作目となるセルフ・カバー作品でCCR時代にヒットした名曲がずらりと並ぶ。「フール・ストップ・ザレイン」はオリジナルアルバム「コスモス・ファクトリー」からの曲だが、ボブ・シーガーとのデュエットというのも泣かせる。
オーディオテクニカの「AT-HA22TUBE」は、プロテクターがあるので真空管のほのかな灯りは、おしるし程度にしか漏れてこないが、ソケットにオレンジのLEDが仕込んであるのでこれが明るい光を放っている。この曲は珍しくフェード・インで始まり、アコースティックギターの音色とボーカルに付けられたリバーブがきれいに響く。それだけにSN感が悪いと透明感が出てこないが、このモデルはすっきりした表情を持ちながらも軽快なサウンドで落ち着きのある2人のボーカルを聴かせるしベースラインがしっかりしているので心地よい。
キャロット・ワンの「FABRIZIOLO EX」は、エルネストーロ同様真空管のソケット中央部に配されたブルーのLEDが妖しく輝く。本体が小さいだけに真空管の存在が一際目立つが、サウンドも同様に目鼻立ちのしっかりした明るい表情が印象的だ。前作をリファインした効果が一層の明快さを引き出しているといってもよい。ボブ・シーガーとジョン・フォガティの声の違いも良く引き出す。
フォステクスの「HP-V1」はポータブル型だけに真空管はシャーシ内部に収められているので、フロントに設けられたスリットからしかその存在は確認できないが、コンパクトなボディに似合わない伸びやかで丁寧な表現力に感心させられる。ボーカルのニュアンスも豊かだし空間の描き出しも大きい。
冒頭でも触れたが、真空管は面倒くさいデバイスである。トランジスタと違ってヒータを熱しないと電子が飛ばないからだ。プレートにかける電圧は低くても発熱するし寿命がある。にもかかわらず使ってみたくなるのは、そこに人間臭い営みがあるのだからだと思う。
フォステクスの製品には真空管時代を経験したスタッフが開発に携わっているが、オーディオテクニカもキャロット・ワンもポスト真空管世代のスタッフによって作られているということは、このデバイスには目に見えない魅力が潜んでいるということだ。いずれのモデルも長時間使っていると相応に温かくなる。これも真空管ならではの特性だが、その温かさが音の温度感と無関係ではなさそうだ。
もっとも3モデルとも真空管が総てを支配するのではなく、総合的なまとめ方が音になって現れるから、柔らかくてほんわりとしたイメージを描いていると肩透かしを食う。真空管は使い方次第でフレッシュなサウンドを奏でることができるし、そうした部分に面白味があるとぼくは思っている。ここで取り上げたヘッドフォンアンプはいずれ期待に違わぬ再現力を備えているので、ぜひとも新しい音を発見する喜びを体験していただきたい。
「LINE」など無料メッセージングアプリでやり取りをする相手を見つける「ID交換掲示板」アプリの実態を調べた結果を、モバイル関連企業などで構成するモバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)が公表した。ID交換掲示板を発端として青少年が性犯罪などの被害に遭う事件が急増しているとして、アプリストアを運営するAppleなどにも協力を求めてく。
ID交換掲示板は、メッセージや通話で1対1のやりとりをする相手を見つけるアプリやWebサイトの通称。ユーザーがIDを公開し、面識のない相手と知り合うことができるようになっている。趣味や居住地が近い仲間を募集するための場だが、「出会い系サイト」に類する売買春を想起させる内容や、18歳未満の書き込みも日常的に行われているという。
通話アプリ運営元が開設した公式のものはなく、全て非公式。昨年1月にカカオトークが注意を呼び掛けた際は30以上を確認したという。通話アプリ各社は「思わぬトラブルに巻き込まれる可能性がある」として利用しないよう呼び掛けているが、実際には未成年者を含め利用者はそれなりの規模に上っているとみられる。
SNSなどコミュニティーサイトがきっかけとなって犯罪被害に遭った青少年は2011年から減る傾向にあったが、昨年は過去最多の1293人に。特にID交換掲示板を発端とした事件が昨年だけで352人に上り、前年の36人から急増した。
ID交換掲示板は、オープンな場所で知り合った後、すぐにクローズドな1対1のコミュニケーションに入ってしまう点が犯罪につながりやすいという。通話アプリ上では第三者の目も届きにくく、状況が悪化する可能性が比較的高いためだ。
●「18歳以上」は建て前に
同機構は昨年11月~今年1月にかけて実態調査を実施。対象はアプリに絞り、ランキング上位のものを中心に100のアプリを確認し、うち30について投稿内容や運営の様子などを調べた。
問題点として浮かび上がったのは(1)居住地域、年齢、性別を登録させ、これを条件に検索できるようになっており、実際に会うことを前提に悪用されやすい、(2)異性との出会い目的を規約で禁止しているものの、出会いを求める投稿や売買春目的の書き込みが削除されずに放置されている──といった点。「18歳以上」を対象と明記しながらアプリのダウンロード時に年齢確認がなかったり、アプリ内にアダルトコンテンツなど青少年に不適切な広告が掲載されている例も目立ったという。
LINEは18歳以下のユーザーをID検索で検索できないようにするといった対策に取り組んでいるが、掲示板ではQRコードやURLを使ったり、他サービスを連絡先にするといった手段ですり抜けるケースもあるという。
子どもの携帯電話は親の名義で使われていることも多く、携帯キャリアが持つ年齢データが実際とは異なるケースが多いのも年齢規制を難しくしている。昨年下半期にコミュニティーサイトをきっかけに犯罪被害に遭った青少年のうち、携帯の名義が本人だったケースは17.2%で、親名義が77.5%だったという。
保護者にはフィルタリングサービスの利用や、ID交換掲示板に限らず個人情報を安易に公開することの危険性を指導するよう呼び掛ける。一方で、こうしたアプリを配信しているアプリストアにも協力を求める。アプリに適切な年齢制限を行うようAppleと協議しているほか、今後Googleとも何らかの形で情報交換を進めたいという。
吉岡良平事務局長は「もちろんメッセージアプリが悪いわけではなく、新しいツールが出てきた時に状況に合わせてさまざまな立場から危機回避の方策を考えなくてはいけないということ」と話す。今後、より広範に詳細な調査を行う予定だ。