
日本HPの「HP EliteDesk 800 G1 DM/CT」は、容積わずか1.05リットルのコンパクトボディにハイパフォーマンスなCPUを搭載できるのが魅力。映像出力を3系統備え、ビジネスマシンにぴったり!!
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●極小ボディに第4世代Coreプロセッサーを搭載
HP EliteDesk 800 G1 DM/CTは、日本HPから発売された超小型デスクトップPCだ。横幅約34ミリ、容積にして約1.05リットルというスリムでコンパクトなボディに、第4世代Coreプロセッサーを搭載しているのが最大の特徴である。
ボディの具体的なサイズは約34(幅)×177(奥行き)×175(高さ)ミリ(縦置き時、スタンド含まず)。公称値は縦置き時を基準に記載されているため、本稿でも位置関係については基本的に縦置きを基準に言及するが、デザイン的には横置きでの利用も強く意識されている。
例えば、縦置き時における右側面(横置き時底面)には、足の部分が4ミリほど張り出している(つまり足を含めた横幅は38ミリほどある)し、管理用シールなどもまた右側面に張られている。足の部分にはラバー素材が張られており、しっかり安定して設定できる。
縦置き時については、付属のスタンドを含めると横幅が117ミリにかさんでしまうが、底部は平面で排気口などもないためスタンドなしでも設置は可能だ。安定化させるために市販のゴム足などを利用してもよいだろう。
右側面の足部分にはVESAマウントホール(VESA-100)を装備しており、これを利用してHP製液晶ディスプレイの下にボディ配置できる「モニターマウントキット」や、壁掛けも可能な「HP フラットパネルモニターQuick Release」といったオプションが用意されているのも魅力だ。
ボディは手回しネジ1本を外すだけでカバーの開閉が行なえ、工具なしでHDDを取り外して2基のSO-DIMMソケットにアクセスできる。さらにネジを3つ本外せばCPUソケットにもアクセスできる。これだけの小型フォームファクターでもメンテナンス性もしっかり確保されている。ちなみに、内部にはM.2ソケット(Type 2280/キーM)があることも確認できた。
基本スペックはBTOでカスタマイズが可能で、CPUは5種類が選べる。選択できるCPUは、Core i7-4765T(2GHz/最大3GHz)、Core i5-4570T(2.9GHz/最大3.6GHz)、Core i3-4130T(2.9GHz)、Pentium G3220T(2.6GHz)、Celeron G1820T(2.4GHz)だ。いずれもTDP35ワットのプロセッサーである。チップセットにはIntel Q87 Expressを採用しており、Core i5以上のモデルではIntelのvProテクノロジーに対応し、リモートによるセキュリティ管理などが行なえる。
メモリは4Gバイトと8Gバイトの2種類、データストレージは500GバイトのHDDと128GバイトのSSD(Opal準拠の自己暗号化機能対応)の2種類から選べる。光学ドライブは非搭載だ。
プリインストールOSも柔軟な選択が可能だ。Windows 8.1、Windows 7(64ビット/32ビット)の各エディションのほか、Windows 8.1 Proのダウングレード権を使ったWindows 7 Professional(64ビット/32ビット)も選択できる。このダウングレード権を使ったWindows 7プリインストールでは、Windows 8.1のライセンスでWindows 7 Professionalを使うことができる。いつでも追加費用なしでサポート期間の長いWindows 8.1へアップグレードして使うことができるので、ビジネスPCの新規導入を考えている企業、SOHOに都合の良いライセンス形態といえる。
●注目ポイント:ディスプレイの3系統出力にも対応する充実のインタフェース
通信機能は、1000BASE-T対応有線LANと、IEEE802.11a/b/g/n対応の無線LANを標準装備する。前面端子はUSB 3.0を2基、ヘッドフォン、マイクを備える。背面端子も豊富で、有線LANのほか、USB 3.0が4基、ライン出力、そしてDisplayPortが2基にアナログRGBと、ディスプレイ出力を3系統備える。3系統は同時出力が可能で、3画面を生かした活用を行えるのがポイントだ。
この3系統出力が効果的な用途としては、オンライントレーディング向けのPCが思い浮かぶ。特にデイトレードなどで最適なタイミングでトレードを行うために、相場情報を一覧表示させられるマルチディスプレイ環境は必須だ。3画面では足りないという場合は、2台で6画面といった使い方をするのも悪くないだろう。コンパクトボディの本機であれば、大きなPCにグラフィックスカードを差して6画面を出すよりもディスプレイケーブルなどの配線がゴチャつきにくく、よりスマートに設置できるはずだ。
また、ボディが小型で静音性も高いという特徴も考えると、受付案内業務や、デジタルサイネージ用途などにも活用できそうだ。受付案内業務では、手元の確認用ディスプレイで検索や入力をしつつ、顧客に向けたディスプレイで案内を表示するといった使い方を想定できる。
デジタルサイネージとは液晶ディスプレイやプロジェクタなどの表示装置に表示するデジタルな広告や案内板のことだ。この用途での主役は表示装置であり、PC本体は複数系統のディスプレイ出力を備えることに加えて、できるだけ小さく静音であることが望ましく、本製品にはぴったりといえる。
●性能チェック:ボディに似合わぬパワフルなパフォーマンス
ベンチマークテストの結果を見てみよう。評価機のスペックを改めて記載しておくと、CPUはCore i5-4570T(2.9GHz/最大3.6GHz)、メモリ4Gバイト(シングルチャンネル)、500GバイトHDD(7200rpm)、32ビット版Windows 7 Professional(SP1)という内容だ。
Core i5-4570TはデュアルコアのCPUだが、最大動作周波数は3.6GHzと高い。CINEBENCHでは一般的なUltrabookやノートPCよりよいスコアが出ており、CPUパワーの高さが分かる。3DMarkやFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のテスト結果でも、UltrabookやノートPCよりは多少よいスコアが出ている。
一方、CrystalDiskMarkのスコアは、2.5型HDDとしては標準的なスコアで、SSHDやSSDと比べるとやはり見劣りはする。PCMark7はPCで行う一通りの作業をシミュレートしてスコアを算出するが、ストレージ性能が大きく影響される傾向がある。結果はやはりSSHDやSSDを搭載したPCと比べると振るわない。HDDでも特に操作感の悪さはないが、より快適な使用感を望むならば、BTOでSSDを選択するとよいだろう。
静音性は優秀な部類だ。アイドル時や低負荷時は、耳を5センチほどまで近づけないとノイズが分からないくらいで、高負荷時もあまり大きくならない。静かな部屋で本体から30センチほど離れた場所で使った感覚では、低負荷時はほぼ無音、高負荷時になると動作していることが分かるくらいのわずかな音がする程度。空調機器などが動作していればそもそも気付かないだろう。また、高負荷をかけてもボディのどこかに集中して熱を持つような印象もなく、放熱設計も優秀といえる。
●幅広い層にフィットする超小型マシン
本製品はボディが超小型というだけでなく、液晶ディスプレイや机の板下などに設置できるオプションが用意されている点が大きな魅力だ。また、ボディはメンテナンス性に優れており、トラブルにも対処しやすい。
企業はもちろんだが、拡張の余地もあることから、個人ユーザーにとっても面白い存在だろう。また、付属のセキュリティソフト「HP Client Security」は、追加コストゼロで特別な専門知識がなくともしっかりしたセキュリティ機能を利用できることから、中小企業やSOHOにとってはこれだけでも購入を検討する動機になりうる。
直販サイトのHP Direct Plusでは、発売記念として「ノートンセキュリティソフト15カ月ライセンス付きキャンペーン」が展開されており、Norton Internet Security(15カ月ライセンス)が付属したCeleron G1820T搭載の最小構成モデルが6万8900円で販売されている。BTOメニューでCPUをCore i5-4570Tにして評価機と同じ構成にしても8万6900円とかなり買い得感が高い。このキャンペーンは1000台限定ということなので、興味のある方は早めにチェックしてほしい。
[鈴木雅暢,ITmedia]