
新疆ウイグル自治区のウルムチ市で5月下旬、朝市で買い物中の漢族老人ら約40人が死亡する爆発事件があった。
事件発生の当日午後にウルムチに飛び、翌日早朝に現場を訪れた。周辺一帯は広い範囲で警戒線が張られ、自動小銃を手にした武装警察が巡回するなど、物々しい雰囲気が漂う。カメラを取り出して写真を数枚撮ったところ、2人の警官が飛んできた。「勝手に取材するな! こちらに来い」と腕をつかまれ、近くの指揮本部に連行された。
パスポート、記者証を調べられたうえ、カメラの中の映像を削除された。「この周辺は取材禁止区域だ」と責任者らしき警官が大声を出した。解放されるまで数時間かかったが、その間、米国人記者や香港人カメラマンらが次々に指揮本部に連行されてきて、「二度と現場に来るな」などと怒鳴られていた。当日夜、ホテルに戻ってテレビを付けると、地元のテレビ局の記者が現場でリポートしていた。市民だけでなく、警察幹部にもマイクを向けていた。どうやら取材が禁止されたのは外国の記者だけで、官製メディアはOKだったらしい。
中国当局は外国メディアに対し、いつも「中国の真実を伝えようとしない」と批判する。「そう思うなら私たちに真実を見せるべきだ」と言い返したい。(矢板明夫)