
「(難度の高い)Dスコアを落として、確実にできることだけをやるしかない」
ロンドン五輪の男子体操個人総合金メダリストの内村航平(25)が、珍しく弱音を吐いた。
8日、世界選手権(10月、中国・南寧)などの代表選考を兼ねた全日本選手権の公開練習が行われ、代表候補選手が揃って調整。会見した内村は前日の練習で左僧帽筋(首の付け根から背中につながる筋肉)を痛めたことを明かし「(若手の成長もあって)相当、危ないんじゃないかな」と、7連覇達成に不安を隠さなかった。
■珍しい左僧帽筋痛
今季は4月のW杯(東京)に出場し、例年よりも始動が早く、首や肩に負担がかかり故障につながったとみられる。今回痛めた僧帽筋は、つり輪や平行棒、鉄棒、あん馬の4種目で両腕を開く際に使う筋肉。この僧帽筋を痛めると、当然、技の完成度は落ちるため高得点は望めない。体操選手にとっては命綱ともいえる部分。日頃から鍛えているだけに故障するのは珍しいケースだという。
体操関係者によれば、30歳前後の男子選手がこの部分を痛めて引退に追い込まれることはよくあるものの、若い選手が痛めるのは皆無に近いそうだ。
内村は20代半ばに差し掛かったばかり。本人は「関係ないと思う」と年齢からくる体力の衰えを否定したが、小さな頃から高難易度の技を習得するため僧帽筋を酷使してきたことが原因かもしれない。
今季の内村には前人未到の世界選手権4連覇もかかる。記録のために無理して出場すれば選手寿命を縮めることになるかもしれない。