
■新小結21歳 突き押し一気で有言実行
迷いなく、新横綱の胸に思い切り頭からぶちかました。21歳の千代鳳の突進に鶴竜は後退。「無我夢中。気付いたら土俵際だった」。腰を落としたまま休まぬ突き押しで勝負を決めた。
大関琴奨菊に続く上位食い。2度目の横綱戦で殊勲の白星だ。しかも圧勝。「きょうは完璧です。自分の一番良い相撲。やばい、テンションが上がる」。素直に喜びの言葉があふれ出た。
今場所前、新三役昇進の会見で「横綱、大関2人に勝てるように」と強気に誓っていた。同席した師匠の九重親方(元横綱千代の富士)は「それは言い過ぎ」と苦笑いしたが現実となった。
兄の千代丸の背中を追って、中学卒業後に入門した“たたき上げ”。十両、幕内、三役と順調に出世し、胸に秘めるのは「一から育ててくれた師匠に恩返ししたい」ということ。「稽古場では厳しいけど、2人きりになると優しいんですよ」と信頼の言葉を口にする。
両肘に痛みがあり場所前は思うように調整できなかったが、稽古場で今できることを続けられるのが、一本気なこの男らしい。毎日500回の四股を自らに課し、長所である下半身の強さに磨きをかけた。
中日、最後の上位戦で日馬富士とぶつかる。「勝ち負け関係なく攻める相撲をとりたい」と愚直に宣言した。(藤原翔)