
【ソウル=加藤達也】日本統治時代の慰安婦をめぐる河野洋平官房長官談話の検証結果を日本政府が公表したことに対し、韓国外務省の趙太庸(チョテヨン)第1次官は23日、別所浩郎駐韓大使を呼び、「慰安婦問題の強制性は全世界が認めている」などと主張して抗議した。
日本政府に対し、河野談話に対する姿勢を変えず、法的責任を認定して公金で賠償するよう求める韓国政府は、検証作業は「談話を傷つけるものだ」(韓国外務省)として反対しており、日本が国際社会を巻き込んだ「宣伝戦」を仕掛けていると受け止め、警戒している。
22日に対策会議を招集した尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は、談話の検証結果をめぐる報告書が「強制連行した証拠はなかった」とした点について、「日本政府が当時の外交記録を悪意を持って編集、あるいは除外したことを詳細に明らかにしていく」方針を示したという。
韓国側ではまた、河野談話発表当時の外相である韓昇洲氏が、朝鮮日報に対して「(談話作成段階での)交渉や調整はなかった」と述べるなど、関係者証言の報道が相次いでおり、談話の“権威”の維持に躍起となっている。
朴槿恵(パククネ)大統領は今年3月、米国が仲立ちする形で実現した日米韓首脳会談以降、トップが先頭に立って行ってきた第三国への“告げ口外交”を控えていたが、今回の報告書公表をきっかけに、再び活発化させる可能性も出ている。
韓国メディアによると、韓国政府は今後、米国や中国、国連などを通じて日本包囲網を強化、ワシントンで今週開かれる米韓次官級対話でも議題提起する見通しだ。
ただ、米国は対中国、北朝鮮での安全保障上の日米韓協調を重視する姿勢で、韓国政府の狙い通りにことが進むかは見通せない。