
【ロンドン】英タブロイド紙の元記者が13日の裁判で、同記者がバッキンガム宮殿の電話帳を入手した際の情報源の一人が、故ダイアナ元皇太子妃だったと証言した。ダイアナ妃は元夫であるチャールズ皇太子を困らせるため、同記者に電話帳をリークしたのだという。
これは、米メディア大手ニューズ・コープ傘下の英日曜紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド(NoW=既に廃刊)」による電話盗聴疑惑に関する法廷ドラマの最新の一幕だ。何カ月にもわたって続いているこの裁判の証言はメディアの注目を集めているが、多くの場合、裁判の行方に影響を与えるからというよりも、むしろ英国の有力政治家、ジャーナリスト、セレブ、それに英王室メンバーの生活の一端を垣間見られるという理由で注目されている。
NoWの元王室担当編集者で、裁判の7人の被告の1人であるクライブ・グッドマン被告(56)は13日、ダイアナ妃がバッキンガム宮殿の「グリーン・ブック」の1992年版を同被告に送付してきたと証言した。この中には王室スタッフの電話番号が含まれていた。
同被告は、チャールズ皇太子のスタッフの人数がダイアナ元妃のそれと比べて多いことを同妃は暴露したがっていたと述べた。チャールズ皇太子とダイアナ元妃は11年間の結婚生活を経て、1992年に別居した。ダイアナ妃は離婚の翌年の97年にフランス・パリの地下道で交通事故死した。電話帳が渡されたとされる時期は不明。
グッドマン被告はロンドンの中央刑事裁判所(別称オールド・ベイリー)で、「彼女は当時、非常に困難な時期にあった」と述べ、「彼女は彼(チャールズ皇太子)に挑む仲間を捜していた。彼に対して歯向かう勢力があることを示すためだ」と付け加えた。
この裁判で英王室が話題に上ったのは今回が初めてではない。昨年12月には、グッドマン被告が2005年に自分のエディター宛てに送ったとされる電子メール内容が紹介されている。その電子メールは宮殿警察官に送付された通達メモを話題にしていた。メモはバッキンガム宮殿の皿に置かれているナッツを警察官らが勝手に食べているとして、エリザベス女王が怒っているという内容だった。そして、通達メモは宮殿警察官らに対し「盗み癖をやめよ」と指示していたという。
バッキンガム宮殿は、裁判が継続していることを理由に、ダイアナ妃とエリザベス女王に関連する証言についてのコメントを控えた。
グッドマン氏は6人の他の被告とともに裁判にかけられている。その1人がニューズ・コープの英新聞部門の元トップであるレベッカ・ブルックス被告だ。全ての被告は電話の違法な盗聴(いわゆる電話ハッキング事件)に関する一連の罪を否認している。ニューズ・コープ(ウォール・ストリート・ジャーナルの親会社でもある)の広報担当者はコメントを控えた。
検察当局は、贈賄罪でグッドマン被告を訴追している。警察官にカネを払って王室の電話帳を手に入れたというものだ。同被告は07年、違法に電話のメッセージを傍受した罪で服役しているが、今回の裁判では電話ハッキングの罪に問われていない。
JENNY GROSS