
デスクトップ仮想化をはじめとするエンタープライズITソリューションカンパニーの米Citrixが製品やサービスのデザインに力を入れている。テクノロジーに明るくない企業の業務部門ユーザーにも分かりやすく使えるようなユーザーインタフェース(UI)を実装し、利用を促進したい考えだ。
このような同社の製品デザインやUI開発などを手掛けるのが、カスタマーエクスペリエンス担当シニアバイスプレジデントのキャサリン・カレッジ氏率いるCXチームである。
カレッジ氏は、2009年に製品デザイン担当のバイスプレジデントとしてCitrixに入社。デザインを製品・サービスの差別化要因として成長させようとするカレッジ氏の情熱が、全社規模の戦略となり、新たな組織としてCXチームが立ち上がった。
カレッジ氏は同社のデザインエバンジェリストであるほか、TEDxやスタンフォード大学のデザインスクール、カリフォルニア芸術大学などでも教鞭をとる。Citrix入社以前は、米Salesforce.comおよび米Oracleでデザインの指導的職責を務めるなど、エンタープライズIT業界のデザイン領域において知られた存在である。
●デザイナーやアナリストなどから成る組織
Citrixが考えるCXとは、あらゆる人があらゆるものを簡便に使えること、つまり、Citrixの製品やサービス、Webサイト、カスタマーサポートに至るまで、すべてのタッチポイントにおいて、エンジニア、IT担当者、エンドユーザーにとって使い勝手が良いものを提供することである。
「技術に精通していないユーザーでも容易に使いこなすことができるサービスを生み出す。またIT担当者に対しては簡単にソリューションを展開できるような製品を設計する。こうした素晴らしいCXを提供するのが私の仕事だ」とカレッジ氏は力を込める。
CXチームは現在、175人のメンバーから成る。その構成員は、デザイナー、リサーチャー、データアナリスト、テクニカルライター、コンテンツプロデューサーなど多岐にわたる。デザインにバッググラウンドのある人材を積極的に採用するとともに、デザインドリブンで問題解決を図るためのトレーニングなどを施していく。
●他社のCXとの違い
では、実際にCitrixではどのようにCXを製品やサービスに反映させているのか。カレッジ氏によると、開発プロセスにおいて最重視するのは、プロジェクト初日から最後までプロジェクトマネジャー(PM)、デザイナー、エンジニアの3人が必ず一緒に仕事をすることである。カレッジ氏はこうした状態を“3 in a box”と表現する。
その過程において真の顧客ニーズや顧客にとっての価値をくみ取るために、定期的にユーザーと会い、直接対話を行う。そこで得たフィードバックを基に、さらなる改良を加えていく。「ユーザーとコラボレーションし、ステップバイステップで進めていくのが肝要」とカレッジ氏は話す。
しかし、ユーザーと対話し、段階的に開発を進めていくといっても、例えば、Citrixが注力するモバイル分野においては、市場変化のスピードが速く成長が著しいため、瞬時に対応しなければならない。この分野については、新しいデザインやコンセプトの優先順位付けを素早く行い、数週間単位でリリース、機能改善を繰り返しているそうだ。
昨今はITベンダー各社もCXをうたっている。彼らとの差別化ポイントについて、「他社もコンセプトは持っているが、具体的な製品に反映されていない。Citrixは一歩も二歩も前を行く」とカレッジ氏は自負する。
●目指すはAppleやIKEA
カレッジ氏は、現在Citrixにおいて唯一の女性役員である。そうした立場からCitrix、さらにはIT業界にどのような貢献ができると考えているのだろうか。
Citrixをコンシューマーライクなブランドにしたい」とカレッジ氏は意気込む。ロールモデルとして挙げるのは、米Apple、米Tesla、IKEAなど。エンタープライズITの分野ではまだデザインに対する重要度が低く見られていると感じており、その状況を変えることが自身の使命だという。幸いにしてCitrixでは「CXファースト」という言葉が語られるなど、マーク・テンプルトンCEOをはじめ社員にデザインをベースとしたCXの重要性が浸透しつつあるのだという。
また、自社、他社問わず、テクノロジー領域で働く女性を増やしていきたいと考える。さらにCitrixにおいては、デザイナーなどIT専門以外の社員を引き付ける会社にしたいという。そのために、さまざまな大学を回り、芸術系の学生などに対してCitrixの文化を伝えるなど、地道な活動を欠かさない。
「社会に影響を与える製品やサービスを作る上でデザインは重要。デザイナーの活躍の場を広げていきたい」とカレッジ氏は力強く語った。
イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)は30日、イッツコムの体験・相談スペースの1つである「iTSCOMスポット たまプラーザ テラス」にて、6月2日13時から4Kの試験放送を開始することを発表した。
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iTSCOMスポット たまプラーザテラス(横浜市青葉区美しが丘1-1-2たまプラーザ テラス ゲートプラザ2F)は、同社顧客窓口施設。今回の試験放送は、 日本ケーブルテレビ連盟が主導し、全国各地のケーブルテレビ事業者で実施するもので、現ハイビジョン放送(2K)の画素数約4倍の高精細画質をケーブルテレビで体験可能となる。
総務省「放送サービスの高度化に関する検討会」でとりまとめられた4K/8K放送のロードマップでは、「2014年には関心を持つ視聴者が4Kを体験できる環境を整備する」という目標が定められており、これに沿ったものだという。
受付時間は10:00~21:00で、音楽ライブ、紀行、スポーツ番組等、段階的に編成し、1年程度実施の予定。
政府が30日発表した4月の物価や雇用、生産などの統計で、消費税増税の影響が大きく表れた。全国の消費者物価指数は経済が過熱したバブルが崩壊して以降で最大の上昇幅となり、物価高のあおりで家計支出は東日本大震災の起きた平成23年3月以来の落ち込み幅。生産の動きを示す指数も、増税前の駆け込み需要に対応した増産の反動減で低下した。雇用は引き続き改善しているものの、景気がこのまま回復基調を続けるかどうかの正念場を迎えた。
総務省が30日発表した4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比3・2%上昇の103・0となり、11カ月連続で上昇した。エネルギー価格の上昇に消費税率が8%に引き上げられた影響が加わったことが要因だ。
増税分が価格に転嫁された実態が反映され、家計の負担増が浮き彫りとなった。上昇幅は消費税率が3%から5%に上がった9年4月の前回増税時の2・0%を上回り、バブル経済崩壊以降で最大となった。
物価が上昇した品目数は469(3月は278)、下落品目は41(同180)、変化なしが14(同66)。電気代などのエネルギーのほか、家電などの耐久消費財、宿泊料や外国パック旅行などの上昇幅が大きかった。
一方、総務省が30日発表した4月の2人以上世帯の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は30万2141円で、物価変動を除いた実質で前年同月比4・6%減と大幅に減少。東日本大震災が起きた23年3月(8・2%減)以来の落ち込み幅で、4月の増税直前に高額商品から日用品まで幅広い分野で駆け込み需要が起きた反動が出た。総務省は「駆け込み消費が増えた分、落ち込んだ」と指摘。消費の基調判断は「持ち直している」のまま据え置いた。