
巨人の杉内俊哉(33)が一発に泣いた。
敵地甲子園に乗り込んだ11日の阪神戦で、五回まで無安打無失点の完璧な投球。それが0-0の六回、マートンに右翼ポール際に3ランを叩き込まれ、ジ・エンド。杉内は“逆方向への当たりがあそこまで飛ぶのか”と言わんばかりに、のけぞって驚いたが、スコアボードには「3」が刻まれ、今季初黒星。「マートンに回したくなかった。あそこ(ゴメス)で切っておきたかった」とうなだれた。
10日に今季の統一球が6球場中5球場で基準値をオーバーする「飛び過ぎる違反ボール」だったことが判明。球界に波紋が広がっている。
NPBの調べでは東京ドームの「0.428」は基準外の球場の反発係数の中でも最も高い数値だった。実際、東京ドームの6試合ですでに16本塁打が乱れ飛んでいる。
「条件は同じ」といえど、超重量打線を誇る巨人のチーム本塁打数は13本でリーグ断トツ。他球団からは「ボールが飛べば巨人が有利」との声も聞こえてくる。
東京ドーム3試合で3発の広島の某選手も「去年までも東京ドームは飛んだけど、今年はさらに飛ぶようになった気がします」と話していた。
■「杉内さんの珠は当たれば飛ぶ」
とはいえ、巨人の投手だって大変だ。先発陣で勝っているのは開幕から3連勝中の菅野、大竹とセドンが1勝ずつ。昨季絶対的セットアッパーだったマシソンは6試合で防御率10.80と苦しんでいる。いくら打線が援護してくれても、防御率が跳ね上がってしまう投手にとっては死活問題。そんな中、一番冷や汗をかいていたのが杉内ではなかったか。
過去に3度、最多奪三振のタイトルを獲得しているだけに、ドクターKのイメージがあるが、実は被本塁打の数もそれなりにある。通算142本は現役10位。ボールが飛ぶようになった昨季も19本でリーグワースト3位。巨人で一番被弾した“一発病”の投手だった。「キレは抜群なんだけど、杉内さんの球は当たれば飛ぶんです」と球質の軽さを指摘する他球団の打者もいる。
うすうす飛ぶと分かっていても、公式に発表されれば投手はやっぱり意識する。「飛び過ぎるボール」が怖くて、ドキドキしながら投げていたであろう杉内は、広い甲子園で今季初となる手痛い一発を浴びてしまった。