
【モスクワ=佐々木正明】ウクライナのポロシェンコ大統領は20日、東部地域の親ロシア派武装勢力の排除を目指し、軍事作戦を続ける政府軍に対し、攻撃中止を命令した。停戦期間は現地時間27日午後10時までの1週間。親露派に武装解除を要請し、応じない場合は掃討作戦を再開する方針を表明した。
大統領は軍に対して、武装勢力から攻撃があれば応戦するよう命令。また、欧州安保協力機構(OSCE)の停戦監視団を受け入れる考えも明らかにした。
しかし、東部スラビャンスク、ドネツク両州では21日未明、ウクライナ空軍基地が武装勢力による攻撃を受けるなど、停戦命令後も戦闘が相次いだ。ロシア通信によると、ウクライナとロシアの国境付近で、子供36人を含む避難民が乗ったバスが銃撃された。バスの乗客は無事だったが、別の国境検問所では銃撃戦によりウクライナ国境警備隊員らに負傷者が出た。
ドネツクの親露派組織幹部は20日、「まず軍が武器を置けば、われわれも対応する」と語り、大統領の停戦命令を拒否する構えを見せた。露外務省も20日、「この命令は親露派への最後通告だ」と非難した。大統領は20日、就任後初めてドネツク州を訪問、現地の軍本部幹部から情勢説明を受けた。
大統領は同日、15項目からなる和平計画を発表し、憲法修正による自治権拡大やロシアとの国境地帯に幅10キロの緩衝地帯を設置することなどを提唱した。しかし、具体的な実施策は明らかにしておらず、混乱が収束に向かうかは不透明だ。