
男子よりひと足先に開幕した日本女子プロゴルフツアーは序盤戦から特徴的な結果となった。初戦のダイキン・オーキッドでタイのO・サタヤ(30)が優勝し、2戦目のヨコハマタイヤ・プロギアは一ノ瀬優希(25)がツアー2勝目、アマチュアの高校2年生、森田遥も優勝争いに加わった。アジアを中心とした海外選手への門戸開放と若手選手の台頭。男子より試合数が多い女子ツアーは、今季も元気だ。
今季の女子ツアーは昨季より1試合増で37試合。賞金総額は32億5000万円で、2年連続で史上最高額を更新した。一方の男子は昨季より1試合少なく24試合。男子より女子の試合数が多いというのは、世界でも珍しいという。
タイのゴルファーが優勝した意味は大きい。タイはゴルフ場開発が進んでおり、日本からゴルフ観光客を積極的に誘致している。プロゴルフ界もレベルが上がっており、日本、韓国に続くアジアのゴルフ国として注目されている。
サタヤは米国の大学にゴルフ留学して腕を磨いたが、米ツアーの壁は高かった。2011年から日本ツアーに本格参戦し、昨季ようやく初優勝。父の経営する会社の業績が思わしくなく、今はサタヤが生計を支えている。精神修行も兼ね、愛知県犬山市の寺を拠点としている。ダイキン・オーキッドでサタヤのキャディーを務めたのが片山晋呉や上田桃子らを教えてきた江連忠氏というのも興味深い。
日本の女子ツアーは昨年、森田理香子が賞金女王になるまで3年連続で韓国人選手がタイトルを獲得。「日本ツアーが韓国人選手に乗っ取られた」との声もでたが、協会は「ツアーのレベルが上がるメリットが大きい」と冷静だった。
協会が内向きにならなかったことは正解だった。宮里藍、宮里美香ら有力選手は米ツアーに飛び立ち、空席をジュニア世代らが競い合った。宮里らが去っても、申ジエなど、世界レベルの選手が目の前でラウンドするので向上心は衰えない。有形無形の財産だ。
主催企業には「プロアマ戦」が魅力的だ。世界と戦うプロ選手とのラウンドは、取引先への最高の接待だ。協会はマスコミ対応を含め、マイナスイメージをもたれないようにする「教育」を重視し、プロアマ戦の価値を高めた。
「女子力」という言葉はあるが、「男子力」はない。日本ではまだまだ女性の社会的立場は弱いというが…。ゴルフ界が1歩先を行っているのだろうか。(村田雅裕)