
ザッケローニ監督も選手たちは大会前、「日本の攻撃サッカーは世界で通用する」と信じ込み、「2、3点取られても3、4点取って勝てばいい」と強気になっていた。それが1分け2敗に終わり、世界とのギャップを痛感することになるが、こうした勘違いの発端は、昨年11月の欧州遠征とW杯前の強化試合だった。
13年11月16日の欧州遠征初戦のオランダ戦。日本は前半39分までに0-2とリードされながら、FW大迫とMF本田のゴールでドローに持ち込んだ。しかし、オランダはエースFWファンペルシーが不在。さらには「交代枠6人」の取り決めながら「W杯本大会の規定3人」しか交代させなかった。強豪オランダとの値千金ドローは、日本が5人を交代させ、フレッシュな選手が走り回ったことも背景にあるのだ。
オランダ戦の3日後には、ベルギー相手に3―2の勝利。後半18分のFW岡崎のゴールが決勝点となった。この試合で日本は5人を交代させ、岡崎も後半からの出場組。やはり余力十分な状態でのゴールだった。
■柿谷は「5人目」、青山は「6人目」
W杯本大会前に米国合宿を行い、6月2日にコスタリカとの強化試合に臨んだ。0-1で前半を折り返した日本は後半15分にMF遠藤が同点弾を決め、35分にFW香川が逆転弾。そしてロスタイムにFW柿谷が決勝弾を叩き込んだ。コスタリカはW杯本大会を見据えて3人しか交代させず、5人を代えた日本とは好対照。ちなみに柿谷は後半31分に「5人目」としてピッチに登場した。
同6日にはザンビアと強化試合。3-2とリードして迎えた後半44分に同点に追い付かれた日本は、直後にMF青山の縦パスに反応したFW大久保がロスタイムに決勝弾。日本ベンチは4-3の劇的勝利に沸いたが、アシストした青山は「6人目」の交代選手として、1分前に送り出されたばかりだった。
対戦相手がW杯本番を想定していたのに対し、日本は5人目、6人目の交代選手が試合を決定づけ、「見せかけの勝利」に浮かれていたのだ。
ザック日本大惨敗の原因は、こうした細部にも宿っている。