
間伐材を地域通貨で買い取り、商品に加工して販売する流通システム「木の駅プロジェクト」が、高島市朽木(くつき)地区で始動した。木材価格の低迷などに伴い、荒廃が進む森林の活性化を図る全国的な試み。同地区のプロジェクトでは、集めた間伐材を薪(まき)にして今冬にも販売を始める計画で、「燃料の地産地消」を目指す。
木の駅プロジェクトは、岐阜県のNPO法人が全国に先駆けて始めた山間地域再生の試みで、各地に広がっている。朽木地区でも、木材価格の低迷を受け、山林所有者が間伐をしなかったり間伐をしても切り倒した木材を搬出せず放置したりするなど、手入れの行き届かない森林が増加。昨年の台風18号襲来時は、これらが流されて山林が荒れる原因にもなった。
こうした状況を打開しようと、同市森林組合や一般社団法人「市民エネルギーたかしま」がプロジェクトの実行委員会を設立。同市朽木地子原にある組合管理の木材置き場内に「木の駅」を設け、間伐材を持ち込んだ人に対し、実行委が1立方メートル当たり5千円分の地域通貨「やまびこ券」を発行し、買い取る。これを「市民エネルギーたかしま」が薪に加工し、販売する。やまびこ券は、地元のプロジェクト協力店舗で使用できる。
木の駅開設初日の今月7日には、スギの丸太が軽トラック10台分集まった。順次、薪として使えるサイズに割って乾燥させている。
薪の販売先は、主に薪ストーブを利用している地区内の家庭を想定。住民らは市外から薪を調達しているとみられることから、燃料の地産地消を“売り”に地区内への販売を進めていく。また、近くの温浴施設への販売も検討。合わせて500万円以上の売り上げを目標にしている。
小林二郎・木の駅プロジェクト実行委員長は「山の手入れと地域の活性化が期待でき、高騰する化石燃料費の削減にもつながる。間伐材の回収方法など検討すべき点はあるが、長続きするよう取り組みたい」と話している。