
O157などの腸管出血性大腸菌感染症の患者報告が首都圏で増えていることが、東京都や埼玉県などの各自治体がまとめた6月16日から22日までの週の患者報告で分かった。前週に比べて報告が大幅に増えた埼玉県は、「患者の6―7%に、発病後数日から約2週間で溶血性尿毒症症候群(HUS)などの重い合併症を引き起こすことがある」とし、抵抗力の弱い小児や高齢者などは注意が必要としている。【新井哉】
6月16日から22日までの患者報告(速報値)は、埼玉県が16例(前週比11例増)、東京都が16例(同4例増)、神奈川が15例(同5例増)、栃木県8例(同6例増)、群馬県が7例(同6例増)、千葉県4例(同3例増)、茨城県が2例(同2例増)だった。
ウェブサイトなどで注意を呼び掛ける自治体も出てきた。栃木県は、「データによる比較が可能な2006年以降の同時期に比べて最も多い届け出数」と説明。例年10月ごろまでは感染者が多く報告されることから、下痢や腹痛、発熱などの症状があった場合、早めに医療機関を受診することを促している。
埼玉県も「今月に入りO157を中心に届け出数が増加している」と指摘。腸管出血性大腸菌感染症の原因究明を図るため、医療機関に対し、診断した場合は速やかに届け出るよう求めている。
腸管出血性大腸菌感染症は、大腸菌が産生した毒素によって出血を伴う腸炎などを発症する。O157やO111、O26などに分類され、感染後3-8日の潜伏期を経て腹痛や水溶性の下痢を起こす。菌の出すベロ毒素が腎臓の毛細血管内皮細胞を破壊するHUSになった場合、急性腎不全や尿毒症を発症し、重症化や死亡事例も報告されている。