■球宴初出場でMVP
強い浜風のため左打者には不利とされる甲子園で、柳田が豪快な弾丸ライナーを左翼席に突き刺した。
「思い切って、ボールをたたきつぶそうと思っていました。本塁打はでき過ぎ。最高でした!」
六回1死二塁の第4打席。大きなフォロースルー、そっくり返るほどのフルスイングが、4万5千の大観衆をどよめかせた。一回は藤浪から左前打を放ち、二回も右前打、七回には中前打。四回の守備では、二塁走者のブランコ(DeNA)を本塁で刺すなど攻守で大活躍し、初出場の球宴でMVPを獲得した。
2年前に現役を引退した小久保(現侍ジャパン監督)から「後継者」に指名された男は、ことし1月の自主トレで秋山監督が「柳田をあいつみたいにしたい」と名前を挙げた糸井(オリックス)に弟子入り。その成果か、1位の糸井と首位打者争いを演じるまでに成長した。
「あした福岡に無事に帰れるよう、気をつけます」とちゃめっ気も十分。新たなスター誕生の予兆だ。(喜瀬雅則)