■43歳6カ月「ありがたい」
全セの谷繁(中日)がまた一つ大きな足跡を残した。「9番・捕手」で先発出場し、三回の第1打席で左前打。43歳6カ月での安打は、1991年に門田(ダイエー)が記録した43歳4カ月を上回り、オールスター史上最年長安打。「それは知らなかった。やった!」と笑った大ベテランは、「ありがたいですね」と喜びをかみしめた。
監督兼任だが、球宴では選手に専念。前半戦52試合の出場で打率・170にもかかわらず選出されたことで、「違う意味のプレッシャーがある。この状態で選んでもらって下手なことはできない」と気が引き締まった。
五回まで前田と大野(中日)を好リードし、零封リレーに貢献。全選手中最多となる12度目の夢舞台でも十分に存在感を見せた。(小川寛太)
<全英オープン 2日目◇18日◇ロイヤル・リバプールGC(7,312ド・パー72)>
遼、松山など日本勢の結果は?「全英オープン」のリーダーボード
英国にあるロイヤル・リバプールGCを舞台に開催中の海外男子メジャー「全英オープン」の2日目。6アンダーからスタートしたローリー・マキロイ(北アイルランド)はこの日も6つスコアを伸ばし、トータル12アンダーで首位を独走。対照的に3アンダーからスタートしたタイガー・ウッズ(米国)は6つスコアを落としてトータル2オーバー、ぎりぎりでの予選通過となった。
ともにかつて世界ランク1位に君臨したプレーヤーであるウッズとマキロイだが、この日の明暗を大きく分けたのは自身の“鬼門”をいかに乗り越えるかにあった。
2006年、同コースで開催された「全英オープン」を制しているウッズだが、興味深いスタッツがある。この時のウッズのスコアを分析すると、最初の3ホールで10オーバーを叩いているのに対し、残る15ホールでは28アンダーをマークしていることがわかる。つまり、ロイヤル・リバプールGCの1番ホールから3番ホールまではウッズにとっての“鬼門”なのだ。
しかし、ウッズはこの“鬼門”に見事にはまってしまった。今大会初日は1番から連続ボギー発進となったし、大きくスコアを崩した今日は1番ダブルボギー、2番ボギーと2ホールでスコアを3つ落としたのだ。これまでの傾向でいけば、ここでスコアを落としたとしてもウッズは終盤に取り返すのだが、今日のバーディは最終18番ホールのみ。17番では痛いトリプルボギーを喫するなど、大乱調のゴルフとなった。明日以降、さらなる上位進出を果たすにはこの序盤の“鬼門”でいかにスコアを落とさずに通過するかが重要となるだろう。
一方で、マキロイにとっての“鬼門”は2日目のラウンドそのものにある。例を挙げれば、松山英樹の優勝した「ザ・メモリアル・トーナメント」では初日に“63”のロケットスタートを決めたものの、2日目に“78”を叩いて失速。最近でも先週の「スコティッシュ・オープン」で初日“64”をマークしながら2日目は“78”。特に初日ビッグスコアをマークした場合の2日目にスコアを崩すことが多いのだ。「全英オープン」を例にとっても2010年大会では初日“63”で飛び出しながら、2日目に“80”を叩き、最終結果は3位タイに終わっている。
しかし、今日のマキロイはこの“鬼門”を見事にクリアしてみせた。スタートホールこそボギーとしたが、5番パー5で2オン2パットのバーディを奪ったのを皮切りに7バーディを奪取。多くの選手がアイアンで刻む中、ドライバーを多用するアグレッシブなゴルフでチャンスを量産し、攻め続けることで自らの“鬼門”を乗り越えた。
そして“鬼門”の2日目をビッグスコアで乗り切ったことで、今度連想されるのは圧倒的な強さでメジャー初優勝を飾った2011年の「全米オープン」だろう。この大会でマキロイは初日“65”、2日目“66”とスコアを伸ばして飛び出すと、その後、一人旅を続けて最終的に2位のジェイソン・デイ(オーストラリア)に8打差をつける圧勝劇を見せた。
はたして、今大会で2011年「全米オープン」の再現となるのか。まずはマキロイとウッズが明日の“ムービングデー”にどのようなプレーを見せるのか注目したい。
(撮影:岩本芳弘)<ゴルフ情報ALBA.Net>
7月18日(金)第13ステージ:サンテティエンヌ~シャンルース(197.5km)
残り28km地点、最後の超級山岳のふもとにある中間スプリントはアレッサンドロ・デマルキ(キャノンデール)が先頭通過、追走のヤン・バークランツ(オメガファルマ・クイックステップ)は45秒後方、メイン集団は3分40秒後方に続いている。
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超級の上りに入るとモビスター、アスタナがペースを上げて集団の人数を減らし、残り13kmで最後まで逃げていたデマルキを吸収。その直後、総合2位につけるリッチー・ポート(チームスカイ)が集団から遅れ始める。
一方、集団前方ではラファル・マイカ(ティンコフ・サクソ)、レオポルド・ケーニッヒ(NetAppエンデューラ)がアタック。総合3位のアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が追走に飛び出し、マイヨジョーヌのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)、ティボー・ピノ(FDJ)がここに合流する。
残り6km、ニーバリは追走集団から加速し、先頭2人に合流。さらに残り3kmで再アタックして単独先頭に立ち、そのまま頂上ゴールを制して今大会ステージ3勝目を挙げた。2位は10秒差でマイカ、3位には11秒差でケーニッヒが続いた。
この結果、ニーバリはライバルたちに対して総合でのリードを大きく拡大し、マイヨジョーヌを守った。総合2位にはバルベルデが浮上したが、ニーバリとのタイム差は50秒広がって3分37秒差となった。総合3位には、4分24秒差でマイヨブラン(ヤングライダー賞)を着るフランス人のロマン・バルデ(アージェードゥーゼル)が上がった。
また、ポートは8分48秒遅れてゴールし、総合では11分11秒遅れの16位に大きく
後退した。
ニーバリは山岳賞も70ポイントと伸ばし、ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)に17ポイント差をつけてマイヨブランアポアルージュも獲得。マイヨベール(ポイント賞)はペーター・サガン(キャノンデール)が守っている。敢闘賞はデマルキが獲得した。
通過順位
残り28km(169.5km)中間スプリント:サン・マルタン・デール
1.アレッサンドロ・デマルキ(キャノンデール)20ポイント
2.ヤン・バークランツ(オメガファルマ・クイックステップ)17
3.グレッグ・バンアーベルマート(BMCレーシング)15
4.ジェレミー・ロワ(FDJ)13
5.アルノー・ジャネソン(FDJ)11
6.ティボー・ピノ(FDJ)10
7.ホセホアキン・ロハス(モビスター)9
8.リエーベ・ウェストラ(アスタナ)8
9.タネル・カンゲルト(アスタナ)7
10.ミカエル・シェレル(アージェードゥーゼル)6
11.ユルゲン・バンデンブロック(ロット・ベリソル)5
12.アダム・ハンセン(ロット・ベリソル)4
13.ピエール・ローラン(ユーロップカー)3
14.ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)2
15.リッチー・ポート(チームスカイ)1
フィニッシュ(197.5km)超級山岳:シャンルース
1.ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)50ポイント
2.ラファル・マイカ(ティンコフ・サクソ)40
3.レオポルド・ケーニッヒ(NetAppエンデューラ)32
4.アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)28
5.ティボー・ピノ(FDJ)24
6.ティージェイ・バンガーデレン(BMCレーシング)20
7.ロマン・バルデ(アージェードゥーゼル)16
8.ローレンス・テンダム(ベルキン)12
9.ジャンクリストフ・ペロー(アージェードゥーゼル)8
10.フランク・シュレク(トレックファクトリーレーシング)4