ザッケローニ前日本代表監督がイタリアの地元メディアの取材に答え、ACミランでの本田圭佑(28)の起用法について「ホンダはトップ下でプレーさせればいい」と言及した。「スピードはないが、パワーがある。真ん中の方がいいプレーをする。(昨季は)他のポジション(右サイド)で慣れるように努めていたが、スピードがあるわけではないので、そのポジションでチームメートを助けることは難しかった」とも語った。
本田はブラジルW杯で1ゴール1アシストを記録したが、不甲斐ないミスやボールロストも目立ち、1分け2敗の“元凶”のひとりとされる。それでも、ザックは「トップ下なら使える」と推奨したわけだが、残念ながらミランに本田の居場所はない。
来季のミランは、本田を重用したセードルフ監督に代わり、ミランの下部組織を指導していたインザーギ監督が指揮を執る。そのインザーギ新監督の構想に本田は入っているかといえば、極めて可能性は低い。
主にトップ下を任されていたMFカカは移籍したが、だからといって代わりに本田が起用されるわけではない。インザーギ監督が下部組織で採用していたシステムは『4(DF)―3(MF)―3(FW)』で、ザックが推奨する『トップ下』は置かない布陣だからだ。
しかもパリSGからフランス人MFメネスの加入が決まり、さらにはアルゼンチン出身のイトゥルベ(ヴェローナ)、イタリアのチェルチ(トリノ)といったMFの獲得もウワサされている。たとえ本田が背番号10を着けても、中盤での序列は下がる一方だ。
■セリエA下位チームにレンタル移籍の可能性
スピードがない本田は、スタミナやフィジカルの強さが持ち味だったが、W杯ではそれも消え失せ、判断スピードも遅かった。手術を受けたといわれるバセドー病の影響もあったのかもしれないが、W杯のパフォーマンスでは欧州トップリーグの強豪でプレーするのは難しい。インザーギ新監督は「ポジションを1列後ろに下げる案もある」とも言っているが、一部では、ミランと友好関係にあるカリアリ、ジェノアといったセリエA下位クラブにレンタル移籍に出されるという見方も出ている。
本田は1次リーグ惨敗後にイタリアに戻っている。9日から始動するチームへの合流を免除され、21日まで特別休暇が与えられた。休み明けにチームに戻ってみると……専用ロッカーがなくなっている可能性も十分にある。