[7.5 山田暢久引退試合 浦和5-6レッズ歴代選抜 埼玉]
昨季限りで現役を退いた山田暢久の引退試合が5日、埼玉スタジアムで行われた。かつて浦和レッズの黄金期をともにプレーしたメンバーが集結。3万3828人の観衆が集まり、レジェンドの最後のプレーを見届けた。
試合では主に左MFでプレー。積極的にゴール前に顔を出して得点を狙った。「(最初は)すごくシュートチャンスを作っていたけど、(決めきれず)焦りがあった。1点を取ってからは気が楽になった」。結果は2ゴール2アシスト。その他でも現役時代さながらのプレーで集まった観衆を沸かせた。
“親子対決”も実現した。「レッズ歴代選抜」の一員としてプレーしていた山田暢は後半20分に高校1年生の長男樹生くんと交代すると、同26分からは浦和現役チームでプレー。マッチアップが実現した。試合後はお父さんの顔がチラリ。「何回かマッチアップしましたけど、息子も成長したなと思いました。一緒にプレー出来て良かった」と目じりを下げた。
試合後のセレモニーではあいさつの後、スパイクを脱ぐパフォーマンスを披露した。「このピッチで試合するのも今日で最後かなと思いました」と感慨深げに振り返った山田暢は、「さみしいですけど、また違う形でピッチに戻ってこれればいいなと思います」と近い将来の“現場復帰”を誓っていた。
※敬称略
【日刊ゲンダイ本紙コラム「王国インサイドリポート」】
フェリポン(スコラリ監督の愛称)らしい、面白みのないブラジル代表がコロンビア代表を力技で押し切ったというところだろうか――。ブラジルは前半から中盤を支配し、コロンビアに攻撃の機会を与えなかった。地元の歓声の後押しもあり、ある時点までは危なげのない試合だったと言える。
ただし――。W杯のような高いレベルになると、得点を決めるのは攻撃の選手の卓越した閃きによることが多い。ブラジルは試合を支配しながら、前線の選手にその閃きがなかった。
1点目はCKからチアゴ・シウバが辛うじて足に当てたもの。2点目はダビド・ルイスの直接FK。2得点ともディフェンダーによる得点であったのは偶然ではない。
試合はブラジル人が愛する、フッチボウ・アルチ(芸術サッカー)には程遠いものだった。
フッチボウ・アルチあるいは、ジョーゴ・ボニート(ビューティフルゲーム)とは、ブラジル人がしばしば口にする言葉である。華麗にパスをつなぎ、速攻性を生かし、観客が思わず声を上げるような美しい形でゴールを挙げることを指す。70年大会、ペレのいたブラジル代表はフッチボウ・アルチを体現したサッカーで優勝した。
しかし、攻撃的なサッカーはどうしても不安定になりがちだ。次にブラジルが優勝したのは、フッチボウ・アルチを完全に放棄した94年米国大会のことだった。元日本代表監督のジーコは82年、86年大会と美しいサッカーを標榜したチームで敗れたこともあっただろう。94年大会直後に話を聞いたとき、ジーコは守備的で面白くないと激しく批判した。
「あれを近代サッカーというのかい? あんなサッカーをテレビで見ていたら、ぼくは眠ってしまうだろうね」
とはいえ、94年のFWロマーリオには、ブラジル人が愛するアルチの薫りがあった。
一方、今大会の前線の選手、フレジとオスカルは存在感がなく、フッキは力任せ、頼みのネイマールは腰椎骨折で今大会は出場できなくなった。コロンビア戦の後半には、母国の選手に対するブーイングが増えた。
次は最大の強敵、ドイツ――。94年大会以上に勝つことでしか愛されないセレソンは、この壁を乗り越えることが出来るのだろうか。
文・田崎健太(ノンフィクション作家)
【準々決勝】
<アルゼンチン対ベルギー>
ワールドカップ(W杯)での対戦は過去に2度あり、お互いに1勝1敗。1982年にベルギーが1-0、1986年に2-0でアルゼンチン(ディエゴ・マラドーナが2得点)が勝利している。
ベルギーにとっては1986年以来2度目、アルゼンチンは1990年以来のベスト4入りを目指す。
<W杯トリビア>
・アルゼンチンは2010年大会からW杯の9試合で8勝を挙げている。唯一の敗戦は2010年の準々決勝ドイツ戦(0-4)。
・アルゼンチンはW杯で延長戦までもつれ込んだ試合は過去7試合あり、うち6試合で勝利している(PK戦含む)。
・アルゼンチンとベルギーは今大会ここまで4戦全勝、そして両チームともにそのすべての試合に1点差で勝利している。
・ベルギーが今大会ここまでに決めた6ゴールは、すべて70分以降に決まっている。また、そのうち4ゴールは途中出場の選手によるものである。
・ベルギーは今大会、4試合を通してリードを奪っていた時間がわずかに52分間のみである。ベスト8進出チームの中では最も短い。
・ベルギーとアルゼンチンはそれぞれ83本、80本のシュートを放っており、今大会最多とそれに次ぐ数字を残す両チームである。また、ベルギーは枠内シュートも32本で今大会最多である。
・アルゼンチンがここまで記録した平均のボール支配率64.3%は参加国中最高の数字である。
・アルゼンチンFWリオネル・メッシはここまで4ゴール1アシスト。うち3ゴールはペナルティーエリア外から決めたものである。また、メッシはドリブル成功数(24回)、チャンスメーク(18回)において今大会最多を記録している。
情報提供:Opta
<アルゼンチン>
【警告】ガライ、ディ・マリア
【出場停止】ロホ
【負傷】アグエロ
<ベルギー>
【警告】コンパニ、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、デンベレ、ヴィツェル
【負傷】ヴァンデン・ボーレ
ドフールは出場停止から復帰。ヴェルメーレンは負傷から復帰できる見込みのようだが、デンベレが太ももの負傷により出場が微妙な状況に。
累積警告は準決勝進出で一度リセットされる。
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