第1日(10日、英サウスポート、ロイヤルバークデールGC=6458ヤード、パー72)
女子ゴルフのメジャー第3戦。日本人選手11人が参加し、5バーディー、1ボギーの68で回った上原彩子(30)が堂々の単独首位に立った。1打差の2位にモ・マーティン(米国)が続き、さらに1打差の3位にモーガン・プレッセル(米国)ら3人が並んだ。宮里藍(29)はイーブンパーで10位につけた。
昨年から米ツアーにも本格的に参戦し、日米をまたにかけて転戦している上原が、風の穏やかな午前スタートを利用して会心のラウンドをみせた。158センチと小柄だが、米ツアーで積んだ経験で確実に実力を上げ、世界屈指の難コースを見事に攻略した。
同組となったのはこの日、71で6位につけたステーシー・ルイス(米国)。昨年大会の優勝者で現在の世界ランク1位。前週も優勝した最強の選手だが、上原は臆することなく小技を中心に組み立てた本来のプレーを展開した。
1番はバンカーにつかまってボギーとなったが、パットがさえわたってスコアを伸ばした。5番で上からの5メートルを流し込むと、6番は80センチを確実に決めた。読みの難しい英国のグリーンをものともせず、8番で3メートル、12番も完全にラインを読み切って4メートルをほうり込んだ。
「ショットのマネジメントはよかったし、とにかくパッティングが一番よかった。微妙なパットを沈められて、グリーンで流れを作れました」と上原。練習日に距離感を機械測定して調整し、少しハンドアップとハンドファーストのアドレスにしたことで調子がよくなったという。
18番のパー5では攻撃に転じて2オン2パットのバーディー。沖縄出身でいつもおおらかな笑顔が、緊張感に包まれたコースをなごませ、ギャラリーからも大きな拍手が起きた。
試合後にはトーナメントリーダーとして英語でのインタビューにも答え、「グレート。とてもエンジョイしました。全英では雨、寒さ、暑さとたくさんの季節が来るように天候が変化するが、残り3日間がんばりたい」とニッコリ。
昨年は5つのメジャーすべてで予選を通過し、同大会も17位と健闘したが、今季はメジャー2戦とも予選落ち。メジャー制覇を目指して米ツアーに挑戦した上原は思いがけないスピードでやってきたチャンスを何とかつかみたいところだ。
■上原 彩子(うえはら・あやこ) 1983年12月22日生まれ、30歳。那覇市出身。小学校時代はサッカー少女。12歳でゴルフを始め、おかやま山陽高卒後の2002年日本女子アマ優勝。04年プロテストにトップ合格。08年フジサンケイレディスクラシックで初優勝など日本ツアー通算3勝。米ツアーに本格参戦した昨年、アカーンソー選手権(6月)で162ヤードをノーバウンドでカップインさせるホールインワンを記録した。モスフードサービス所属。趣味はヨガ、カラオケなど。ピアニストの上原彩子と同姓同名。158センチ、55キロ。